産後の肥立ちとは?
「産後の肥立ちが良好・悪い」という言葉を耳にしたことはありませんでしょうか?
これは裏付けのない神話や迷信などではありません。
出産で負担を受けたお母さんのカラダをどれほどスピーディーに回復させ、健全な状態へと導くのか。
我々日本人が色々な経験から考えて体得し、引き継いできた重要な知識なのです。
産後の肥立ちとは何か、時間と肥立ちを良化する手段を理解し、無茶をせず乗り切りましょう。
産後の肥立ちとは 出産した後、ママのカラダは妊娠前の規則正しいカラダに戻ろうとします。
この段階を「産後の肥立ち」と言い、近年では「産褥期」と呼びます。
医学が発達する前の日本では、赤ちゃんを産んだ後の母親の栄養バランスが良くない事が多く、基礎体力が全快せずに床に伏せがちな母親が多かったようです。
こうなると「産後の肥立ちが悪い」と言われています。
また、しんどい身体で衛生状況が良くないところで過ごすことにより、産道や子宮腔内のキズからばい菌感染し「産褥熱」にかかって命を落とすケースも数多くあったようです。
そのような事情から日本においては産後の肥立ちに重点を置いて、「里帰り」や「床上げ」という習慣が普及したのです。
産後の肥立ち、スパンはいつまで?
子宮が元のサイズに戻るまでには、6~8週間ほど必要となります。
母親の1ヵ月検診で問題がなければ、通常の生活に戻って大丈夫だとされています。元の生活パターンに戻ることを「床上げ」と言います。
産後の肥立ちの症状は?
このスパンに、子宮が縮小する時の痛さである「後陣痛」が生じたり、産道や子宮のダメージからの出血や分泌物が交じった「悪露」が出てきます。
この悪露が生じている間は傷が治癒していない状況ですから、湯船に入るのは控えシャワーだけで生活します。
また出産時に開いてゆるんでしまった骨盤は、3~4ヶ月かけて元の体重に戻っていきます。産後に無理して骨盤が歪んだまま固まってしまうと、血液やホルモンの流れが悪くなってカラダ不調の要因になってしまいます。
産後の肥立ちが良くないとどうなるの?
出産とは、いっきにたくさんの血液を失ってしまうということ。
妊娠し10ヶ月費やして少しずつ増加したものが丸ごとなくなるので、カラダはその変貌についていけないと考えます。
それに伴って、産後から活動して無茶をすると、立ちくらみがしたりカラダが冷えてコンディションを崩しがちになるものなのです。
その上、寝不足やメンタル的な疲労感がプラスされると、マタニティーブルーや産後うつにまでステップアップしてしまう可能性もあります。
目を使いすぎることも血液を大量に使用しますから、目が疲労しやすくなったり視力が下がったりするケースがあります。
パソコンやスマートフォンの使用はほど良い程度にされて下さい。 また今の時期に無理してしまうと、更年期の体調にも影響を与えるとのことです。
産後の肥立ちの時間の使い方は女性の一生に関わってきてしまいます。
産後の肥立ちを良化するためにすること
肥立ちを良化する方法1.何はともあれ休養
退院後2~3週間は安静にし、あかちゃんのお世話だけにしてできるだけ安静にして過ごしましょう。昼夜問わないで授乳やおむつ替えを行なうため、おおかたのお母さんは寝不足になる。お昼の間でもあかちゃんが眠っている間は、横で一緒に寝転がってカラダを休息させてくださいね。
肥立ちを良化する方法2.食事に気を使う
上質な母乳を出すうえでも、和食に限ったバランスのしっかりした献立を朝、昼、晩のごはんきちっと、とることが大事です。その中でもタンパク質・カルシウム・鉄分はしっかり取るようにしましょう。
授乳期間中は知らないうちに水分不足になるので、しっかり水分をとることなども忘れないで下さい。 冷たい飲料でなくて、温かい飲物でカラダを冷やさないことに注意しましょう。特にラズベリーリーフティーは、子宮の回復をフォローアップしてくれるため、産後の回復の役に立って貰えますよ。
3.頼りになるものはなんでも活用する
その中には上のこどもさんがいるなど産後ゆっくりしていれないお母さんもいます。けれども健康的な家族の日々の生活は“ママのバイタリティ”があってこそ。里帰りしたり、パパの掃除や洗い物・クッキングが少し下手でも、口も手も出さずに「ありがとう」と思いましょう。
周りの手助けが入手できない場合は、出前サービスでお食事をすませても構いませんし、ファミリーサポートセンターやヘルパーさんを活用してもいいでしょう。支出は多くなりますが、健やかなカラダを回復するためならどんなことがあっても余計な買物じゃありません。
お母さんのバイタリティは家族のパワー
あかちゃんを出産すると使わなくなった胎盤も含め出てきますが、こんな大きいものがカラダから剥がれ落ちるっていうのは、通常の状態で考えれば“大ケガ”です。
出産にかかった時間や辛さとは関係なく、大ケガと同じダメージを担っていることを理解してください。
無痛分娩や帝王切開など、どんな出産の形であれ、カラダへのプレッシャーは同じです。 産後の肥立ちを甘く見ず、周りに依存しながらきちんと休息した方が良いでしょう。
あかちゃんがいる暮らしは、まだ開始したばかり。家族が生き生きと生活していくには、お母さんのバイタリティが肝要です。産後のストレスをバッチリ回復して、わが子のために丈夫で活き活きとしたお母さんになりましょう。